電気工事士を持っていると、消防設備士乙種7類は実技が丸ごと消える
受験体験ではなく、公表されている試験制度を整理した記事です。合否や勉強法の話は含みません。
この記事の立場:受験体験記ではなく、公式資料を数えた記事です。 制度の前提(合格基準の読み方・免状の交付が要ること・書籍の版の見分け方)は 甲種4類の記事で説明しているので、 ここでは乙種7類に固有の話だけを書きます。
消防設備士乙種第7類は漏電火災警報器を扱う資格です。電気工事の現場と地続きの設備で、甲種第4類(自動火災報知設備)と一緒に語られることが多い類でもあります。
前回、甲種4類では電気工事士免状による免除が実技の鑑別等1問しか効かないことを確認しました。乙種7類はここが違います。実技が丸ごと消えます。
数え直すと、電気工事士を持っている人にとって乙種7類がどういう位置にある試験なのかがはっきりします。
免除なしのとき、何が何問出るのか
乙種第7類の試験科目と問題数は次のとおりです(消防試験研究センター)。第7類は電気系の類なので、機械に関する問題は出題されません。
| 科目 | 内訳 | 問題数 |
|---|---|---|
| 消防関係法令 | 共通6 + 類別4 | 10 |
| 基礎的知識 | 電気5(機械は出題なし) | 5 |
| 構造・機能・整備 | 電気9 + 規格6(機械は出題なし) | 15 |
| 筆記 計 | 30 | |
| 実技 | 鑑別等5(製図はなし) | 5 |
試験時間は乙種で1時間45分です(消防試験研究センター)。
⚠ 甲種と違い、乙種に製図はありません。実技は鑑別等だけです。ここが後で効いてきます。
電気工事士の免除で何が消えるか
第一種・第二種いずれかの電気工事士免状を持っている場合、乙種第7類で免除されるのは次の3か所です(免除一覧表PDF)。
- 基礎的知識(電気)5問 → 免除
- 構造・機能・整備のうち電気9問 → 免除
- 実技(鑑別等)5問 → 全問免除
- 試験時間 1時間45分 → 1時間00分
甲種4類では鑑別等が1問減るだけでしたが、乙種7類では実技そのものが無くなります。
なぜこう分かれるのか。甲種4類の実技は鑑別等5問+製図2問で、製図は免除の対象外です。乙種7類には製図がなく、実技が鑑別等だけなので、その鑑別等が免除されると実技に残る問題がゼロになります。製図の有無が、そのまま免除の効き方の差になっています。
数えるとこうなる
| 免除なし | 電工免除あり | |
|---|---|---|
| 筆記の総数 | 30問 | 16問 |
| うち消防関係法令 | 10問(33%) | 10問(62.5%) |
| うち規格 | 6問(20%) | 6問(37.5%) |
| 実技 | 鑑別等5問 | なし |
| 試験時間 | 1時間45分 | 1時間00分 |
判定は「免除を受けた以外の問題」で行われるため、使われるのは筆記16問だけになります(この読み方は甲種4類の記事で詳しく書きました)。
残る16問のうち10問、62.5%が法令です。ここは甲種4類と同じ形になります。
違うのは、実技の宿題が無いことです。 甲種4類では製図2問が残り、記述式の対策を別に用意する必要がありました。乙種7類にはそれがありません。
甲種4類と同じ日に受ける場合
免除一覧表の末尾に、複数受験の合計試験時間が載っています。
| 受験の組み合わせ | 免除資格 | 合計試験時間 |
|---|---|---|
| 甲種4類と乙種7類 | 「電工」のみ | 3時間15分 |
| 甲種4類と乙種7類 | 「甲種設備士」+「電工」 | 2時間30分 |
| 乙種4類と乙種7類 | 「電工」のみ | 1時間45分 |
甲種4類を電気工事士の免除つきで単独受験すると2時間30分です。そこに乙種7類を足しても合計3時間15分、つまり増えるのは45分です。
その45分で解くのは、法令10問と規格6問の合計16問。実技はありません。
⚠ ただし試験手数料は別々にかかります(甲種6,600円・乙種4,400円、いずれも非課税)。また併願の可否と申込方法は支部によって案内が異なるため、実施支部の試験案内で確認してください。
⚠ 併願を組む場合、免状の交付が申込みに間に合うかを先に確認してください。理由は甲種4類の記事に書いています。
7類は、新しいテキストが出ていない
ここが7類の実務的な問題です。
書誌を照合したところ、定番の解説書「わかりやすい!第7類消防設備士試験」(弘文社)は2018年5月版が最新でした。8年前です。4類のほうは2026年2月版が出ているので、同じ出版社の同じシリーズでも類によって更新が止まっています。
一方で問題集は版が動いています。免除を使えば必要な範囲は法令10問と規格6問だけなので、厚い解説書より問題集で範囲を確認するほうが実態に合います。
⚠ 以下は運営者が実際に使った教材のレビューではありません。上で数えた「免除後に何が残るか」から、必要になる範囲を示すために挙げています。発行年月は openBD と国立国会図書館サーチで照合しました。
問題集|弘文社・2025年11月
Amazonで見る(本試験によく出る!第7類消防設備士問題集・2025年11月)
年度版で範囲を押さえる|公論出版・2025年4月
Amazonで見る(消防設備士第7類 令和7年版・2025年4月)
甲種4類と併願するなら、甲種4類の記事で挙げた法令の問題集も効きます。法令の共通部分(共通6問)は類をまたいで同じ範囲だからです。⚠ 類別の部分(4問)は7類固有なので、そこは上の7類用で埋める必要があります。
まとめ
電気工事士免状を持っている人にとって、消防設備士乙種第7類は次のような試験になります。
- 筆記は30問から16問に減る
- 実技は全問免除でゼロになる(甲種4類は製図2問が残る)
- 試験時間は1時間45分から1時間00分に短縮される
- 残る16問のうち10問が法令で、合否は法令で決まる
- 甲種4類と同じ日に受けても、増える時間は45分
⚠ 本記事は2026年8月時点の公表内容にもとづきます。制度は改定されるため、申込み前に実施支部の試験案内をご確認ください。
この記事が役に立ったら:
X でシェア